ティーン・ザ・ロック
数分後、優さんから届いたメールは『分かったよー』だけだった。
「……大丈夫だった?」
「うん、普段が優等生だから。信じてくれてるみたい。
……杉澤君は?
家の人に連絡しなくて大丈夫なの…?」
……本当はずっと気になっていた彼の家の事…。
話しの流れでさりげなく聞いてみたけど…答えてくれるだろうか。
彼は目線を反らし、夜景を眺める。
悲しげな目にかかる髪が優しく揺れていた。
「…………僕は」
小さく、ポツリと。
「僕は、要らない人間だから……」
まるで自分にも聞かせたくなかった言葉の様に
風に浚って貰いたそうに。
「………本当は、産まれちゃいけない人間だったんだよ」
目を閉じて 俯いて
絶望しか味わったことのない様な顔をしていたんだ。
「僕が今ここで死んでも、きっと誰も悲しまないよ」
儚く、消え入りそうな彼を見つめていたら
あたしの方が泣いていた。