ティーン・ザ・ロック
そんな叔父さんの肩に手を置いて、優しく撫でる様にしている叔母さんは
優しい眼差しであたし達を気遣ってくれる。
「私なんてまだ、二人が亡くなってしまっただなんて信じられないでいるもの…。
葉瑠ちゃん、要君、辛いだろうけど…皆で乗り越えましょうね」
叔父さんの結婚相手は、優(ユウ)と言う名の人で
名前以上に、内面の優しさがにじみ出している人だ。
初めて会った時から、優さんは私のお姉さんの様な存在だった。
そんな優しい夫婦に、優しい言葉をかけられて、
あたしも兄も、二人の胸の中で泣いてしまった。
それからの時間は、とても早く過ぎ去った。
続々とやってくる親戚たちと一緒に、父と母が搬送されたという病院に向かい
順番に白いシーツの前で 号泣した。
兄や叔父さん達に、あたしは死に顔を見ない方が良いと言われたけど
心ではどうしても、二人が他界したなんて思えなくって。
「…どんなに酷い死体でも、確認したいんだ。
自分の目で確かめるまでは、本当に悔やむ事なんて出来ない気がするから」
覚悟を決めてそう言うと、兄たちも渋々OKを出してくれた。
震える足で寝台の前に立ち、ゆっくりとシーツを捲る。
「ぁ……あ…っ」
酷い光景だった。