ティーン・ザ・ロック




女子たちは、男子の声に過敏に反応を示し始める。



「ほら、タラシが手懐けた雄犬共が吠えてるよ」


「やっぱり噂はマジだったって事じゃん?」



……だから、嫌なのに。



「…馬鹿みたい」




聞こえる様に、だけど本人に直接文句を言わない女たちに


へらへら笑って、『大丈夫?』とか言ってくる男たちに


はっきり違うと言えない自分に



腹が立って仕方なかった。





もう何もする気が起きなくて俯いていた時だ。



「点呼取るよー!!集~合~」




居なくなっていた筈の紅葉が、いつの間にかあたしの隣に立ち


女子に集合をかけ始めたのだ。



今まで無反応だった彼女たちは、紅葉の指示なら と、きちんと順番に並び始める。



……何なの、もう。



「あれっ?私の声、そんなに大きかった?

それとも委員長の声が小さくて聞こえなかったのかなぁ?」



笑いながら『葉瑠より先に点呼とれちゃった』と言ってくる紅葉に、殴りかかりたくなった。



ムカつく ムカつく。



何がそんなにおかしいの。



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