ティーン・ザ・ロック
彼氏…か。
勘違いされたけど、不思議と嫌じゃなかった。
他の人から見たらそんな風に見えるのかな。…まあ、彼にとっては迷惑でしかないのだろうけど。
でも……あたしが迷惑じゃないのは
弁解したい人が居ないから だろうか…?
好きな人がいれば話は別だろうけど、今は誰も好きになっていないし、彼氏も居ない。
『違うよー!只のクラスメイトだよ』…なんて笑いながら否定できる様な友達も居ない。
だから
あえて否定したいとは思わないのだろうか…?
分からない、分からないけど…
胸が、熱い。
「……逢坂さん…?痛むの?」
目の前に綺麗な顔があらわれて、心臓が身体を突き破ってしまうのではと思う位、暴れ出す。
「う…ううん。大丈夫だよ」
何なの、コレ。
ワケが分からない。
ギュッと胸を押さえて、隣を歩く杉澤君に鼓動が聞こえない様にした。聞こえる筈がない、なんて、思う余裕すら無かったんだ。