ティーン・ザ・ロック




彼氏…か。


勘違いされたけど、不思議と嫌じゃなかった。


他の人から見たらそんな風に見えるのかな。…まあ、彼にとっては迷惑でしかないのだろうけど。


でも……あたしが迷惑じゃないのは


弁解したい人が居ないから だろうか…?



好きな人がいれば話は別だろうけど、今は誰も好きになっていないし、彼氏も居ない。



『違うよー!只のクラスメイトだよ』…なんて笑いながら否定できる様な友達も居ない。



だから



あえて否定したいとは思わないのだろうか…?



分からない、分からないけど…


胸が、熱い。







「……逢坂さん…?痛むの?」



目の前に綺麗な顔があらわれて、心臓が身体を突き破ってしまうのではと思う位、暴れ出す。


「う…ううん。大丈夫だよ」



何なの、コレ。


ワケが分からない。



ギュッと胸を押さえて、隣を歩く杉澤君に鼓動が聞こえない様にした。聞こえる筈がない、なんて、思う余裕すら無かったんだ。





< 147 / 337 >

この作品をシェア

pagetop