ティーン・ザ・ロック
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「消灯時間過ぎてんだてーの!!さっさと寝ないと明日苦労すんのはお前らだぞー!」
11時を大きく過ぎた頃、あたしの手当てをしてくれた先生が見回りに来て、叫んで帰って行った。
怒られても、彼女達の話は尽きる事は無い。
誰が好きだと言う告白大会が始まったのだ。
「…で、メアド交換したんだーっ」
「いいなーーっ」
敷布団を二枚程隔てた向こうで、楽しそうな恋愛話は展開される。
勿論あたしは不参加だ。いや、誘われてすらいないのだけれど。
もし参加できていたとしても、彼への気持ちは打ち明けないだろう。
秘密にしていたい。
大切にしたい想いだと思ったから。
一人離れた場所で布団にくるまり、ケータイを開いてサイトを覗く。
だが、いつもなら夢中になってするゲームも、何故か今日はやる気が起きない。
周りが五月蠅いせいもあるのだけれど
一番の理由は彼の事が頭から離れないせいだろう。
いつから好きだったのか
何故惹かれるのか
考える事は尽きない。