ティーン・ザ・ロック




不思議と『これからどうしたいのか』という考えは浮かんでこなかった。


多分、今の関係が一番心地よいからだと思う。


それに、彼と手を繋いで歩いたり、デートしたり、キスしたり…



そんな想像が出来ないせいもある。



付き合える事になったとしてもきっと、普通の高校生の恋愛には当てはまらないんじゃないだろうか。



……そんな妄想ばかりが膨らみ、一向に睡魔はやってこない。



それは彼女たちも同じなのだろう。



12時を過ぎても、話声は止む事は無かった。




……杉澤君、もう寝ちゃったかな…。



メール、してみようかな…。




受信履歴から彼の名を探し、返信ボタンを押すが、なんて送ればいいのか分からなくて



送信内容の欄はいつまでたっても真っ白なまま。



すると、画面の上の方に、メールを受信したというアイコンが出る。



もしかして、と期待し、どうせ身内の誰かだろう と考えを改めた。



あまり期待しても、違っていた時の落胆は大きい。





どうせ自分が期待しているのは分かっているのに、平静を装ってメールを開いてみた。



『起きてる?』



……期待していて良かった…!!



たった一文しかないメールの送り主は、杉澤君だった。




< 152 / 337 >

この作品をシェア

pagetop