ティーン・ザ・ロック
不思議と『これからどうしたいのか』という考えは浮かんでこなかった。
多分、今の関係が一番心地よいからだと思う。
それに、彼と手を繋いで歩いたり、デートしたり、キスしたり…
そんな想像が出来ないせいもある。
付き合える事になったとしてもきっと、普通の高校生の恋愛には当てはまらないんじゃないだろうか。
……そんな妄想ばかりが膨らみ、一向に睡魔はやってこない。
それは彼女たちも同じなのだろう。
12時を過ぎても、話声は止む事は無かった。
……杉澤君、もう寝ちゃったかな…。
メール、してみようかな…。
受信履歴から彼の名を探し、返信ボタンを押すが、なんて送ればいいのか分からなくて
送信内容の欄はいつまでたっても真っ白なまま。
すると、画面の上の方に、メールを受信したというアイコンが出る。
もしかして、と期待し、どうせ身内の誰かだろう と考えを改めた。
あまり期待しても、違っていた時の落胆は大きい。
どうせ自分が期待しているのは分かっているのに、平静を装ってメールを開いてみた。
『起きてる?』
……期待していて良かった…!!
たった一文しかないメールの送り主は、杉澤君だった。