ティーン・ザ・ロック
「冬華ぁ!やめなよ!」
奈津が押さえかかり、飛びかかられはしなかったけど
打たれた頬が、ジンジンと痛かった。
「関わるだけ無駄なんだよ。
うちらがどんなにシカトしても全然反省なんかしてないんだから」
奈津が冬華をなだめ、泣いていた紅葉も冬華を見上げる。
「冬華…もう良いよ…。紅葉が悪かったんだから…。
ごめんね、葉瑠…
本当に…ゴメン」
「あたしは、紅葉の味方だよ…!!」
「冬華…ありがと……」
抱き合う彼女達。
その体の間から、俯く紅葉の口元が、ぐにゃりとつり上がったのを見逃さなかった。
一番性格が歪んでるのは
きっと紅葉だ。
だが、もうこんな茶番に付き合ってられない。
後ろから罵声を浴びせられながら、逃げる様に部屋を出た。