ティーン・ザ・ロック
今の今まで、先生はやる気がなくていっつもテキトーで
それでいて自分の立場ばかり気にするヤな大人だと思ってた。
でも、その裏で
色んな事を考えていたんだなーって思うと、思わず
「禿げてるけど良い先生だっ」
なんて事を口走ってしまい、
「てめぇ!三者面談の時覚悟してろよ!」
と、引き攣った笑みで怒鳴られてしまった。
「ふ…っ」
息を吐き出す音が聞こえ、隣を見ると、杉澤君が
「……笑った…?」
目を細めて、三日月形に口を曲げて。
あたしの声に、すぐに恥ずかしそうにそっぽを向いてしまったけど。
でも
彼が笑っていた。
初めて見る、彼の本当の笑顔は
太陽の光の様に、優しく、輝いて見えたんだ。