ティーン・ザ・ロック
…ずっと、無関心な彼が何故委員会に入ったのかと気になっていた。
学級委員の仕事は、長引けば夜までかかる事もあるだろう。
だから、だったんだ…。
少しでも家に帰る時間を遅らせる為に…か。
…家に居場所がないって…どれほど辛いものなんだろう。
「あの人はあまり信用できない。
外面だけはいいみたいだけど。
…他にも女がいる様な感じだし。母が好きだと言うなら僕はどんな人でも良いけど
信用は一生出来ないよね」
「……確かに、入学式で見た時、ファンクラブもあるって聞いたし…。
カッコ良くて人気なのは確かだよね…」
理事長…か。
先生達とは違って、簡単に会えたり出来る人じゃない。
他の仕事も抱えているらしく、学校で見かけるのは行事の時くらいだとも聞いた。
そんな人の動向を探るのは、あたしなんかじゃ無理だろうし
噂をたどるなんて…
そんな事、噂で苦しめられているあたし達には出来る筈もなかった。
どうすれば、彼を助けてあげられるんだろう。
どうすれば…
彼を笑顔に出来るんだろう。