ティーン・ザ・ロック
良い子
「葉ぁ瑠ぅー!!お兄様が会いに来てやったぞッ」
「葉瑠ー!久しぶりィ!」
「いらっしゃい、お兄ちゃん…留美…」
一か月ぶりの兄妹の再開には、邪魔者が付いて来た。
「髪染めたんだー!超似合ってるー!」
「立派な不良になったなー!さすが俺の妹ッ」
立派な不良ってなんだよ、と思いつつ
取り合えず照れたフリをしてみた。
「そう…?ありがとう…」
「あれ、雪さん達は?」
兄が部屋を見回して、他に人影がない事に気づく。
仕事で午後になったら帰ってくるという事を伝えると、兄は早く会いたいのかそわそわし始めた。
その間も留美は兄の腕に絡みついて離れない。……見てるだけで吐き気がする。
家族と知り合いがイチャついてるのって、気持ち悪いと思うのはあたしだけだろうか。
だけど、そう思っている事なんか言えるわけも無く
早く雪さん達が帰ってくる事を祈るしかなかった。