ティーン・ザ・ロック
あわあわと、全身で否定したのがまずかったのか。
兄はデレデレだった表情をガラリと変え
「俺より先に優さん達に紹介するとは…!!俺はー!?」
拗ねているのか怒っているのか、どちらともつかない様な顔であたしに迫ってくる。
「ゆ…優さーんっ!否定して…!!」
「あらっ?まずかった?」
助けを求めたのに、優さんは一人でキッチンへと逃げていく。
「雪さぁん…」
「……呼べばいいよ。彼も葉瑠ちゃんに会いたいと思うよ?」
「え!?なんでそんな…」
火に油を注ぐような事を!
雪さんは高らかに笑いながら部屋に戻っていく。
…絶対あれだ。
僻(ひが)んでいるだけなんだ…!!
「呼べ!」
「で…でもさっ!付き合ってるとかそんなんじゃないし!クラスメイトだってだけだし!」
「いーから!」
……!!目が座ってる!
何なの…。何でそんな彼氏みたいな口調であたしを攻めるんだよ…!
想像もしていなかった展開に泣きそうになる。