ティーン・ザ・ロック





「…呼びなよ」


「留美…?」

留美までそんな事言わないでよ、と言いそうになって、やめた。


彼女は怒っていた。



何でかなんて考えなくても分かる。



「葉瑠もさ。友達だとしても、一緒に盛り上がれる人が居た方が楽しいでしょ?」


兄があたしの事ばかり考え始めたからだ。



留美は、妹のあたしに嫉妬している。




「………分かったけど…。


騒ぐような人じゃないから、あんまりしつこくしないでよ?」



別に機嫌を取ったわけでも無いけれど、留美の機嫌が悪くなりでもしたら


みんなに不快な思いをさせるかもしれないと言う思いから出た結論だった。




渋々電話をすると、『逢坂さんが困ってるなら』と言って来てくれる事になった。




雪さんが迎えに行ってくれて、玄関まで出迎えに行ったのだけれど……。




「……誰?」




玄関に立つ彼は、学校で見る様な、暗い感じなんてまるで無くなっていた。



「……杉澤です、逢坂さん」


「え、だって、メガネ…」


いつも付けている黒ぶち眼鏡が無くなって、なんて言うか…凄く



カッコいい。




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