ティーン・ザ・ロック
いや、あり得ない。
ただからかってるだけだ。…そうであってほしい。
そう思いながらリビングに入ると、
「お前かー!!」
……兄が早速杉澤君に突っかかっていく。
「ちょっと……」
「おいこらーっ」
「……………」
「きゃーーっ!カッコいいじゃん!」
「あれ?メガネは?」
ああっもう!!みんな黙って欲しい!
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「…お前が葉瑠の彼氏か!」
ソファーに座った兄が、父親みたいな事を言いだした。
「…だから、違うって言ってんじゃん」
何回否定すれば気が済むんだろう。その度に虚しくなっていくあたしの気持ちはどうすればいいの?
「お前には聞いてないんだっての!
えーと、……取り合えず名前だな!名前!」
「………杉澤 悠馬です」
こんなのが兄だなんて、彼はきっと引いてるに違いない。
しかも彼に突き刺さる視線は兄だけでなく、その隣の留美からも向けられていた。
…カッコいいとか言ってたけど…。兄に続いて杉澤君にまで目を付けたなんて言わないだろうな…。