ティーン・ザ・ロック





いや、あり得ない。


ただからかってるだけだ。…そうであってほしい。



そう思いながらリビングに入ると、



「お前かー!!」



……兄が早速杉澤君に突っかかっていく。


「ちょっと……」


「おいこらーっ」


「……………」


「きゃーーっ!カッコいいじゃん!」


「あれ?メガネは?」




ああっもう!!みんな黙って欲しい!








---------



「…お前が葉瑠の彼氏か!」


ソファーに座った兄が、父親みたいな事を言いだした。


「…だから、違うって言ってんじゃん」


何回否定すれば気が済むんだろう。その度に虚しくなっていくあたしの気持ちはどうすればいいの?


「お前には聞いてないんだっての!

えーと、……取り合えず名前だな!名前!」


「………杉澤 悠馬です」



こんなのが兄だなんて、彼はきっと引いてるに違いない。


しかも彼に突き刺さる視線は兄だけでなく、その隣の留美からも向けられていた。



…カッコいいとか言ってたけど…。兄に続いて杉澤君にまで目を付けたなんて言わないだろうな…。


< 188 / 337 >

この作品をシェア

pagetop