ティーン・ザ・ロック
「…好きって……え?…逢坂さんが、僕を………?」
頭に乗せられていた手がパッと離れ、顔を上げると、口をパクパクさせて動揺する彼の顔が見えた。
思わず笑ってしまったじゃない。
「………そんなに驚く事?」
「……だ…だって」
だんだん赤くなっていく顔。何って言うか、ホント…愛おしいよ。
まだ返事も貰ってないのに、紅葉は『ウッザ!マジイチャつかないでくれない?』と、腕組みしながらブーイングしてくる。
面白くはなさそうだったけど…その表情には『嫉妬』とか『憎悪』と言うものは感じられなかった。
「紅葉…。あたしも言っちゃったよ」
「はぁ!?んなの、見てたから分かってますー!!
私、別に関係なくなーい?もう私は杉澤なんてキョーミ無いし」
顔を背けながら怒って見せる紅葉。すると何故か林田のテンションが上がった。
「紅葉――!?マジか?興味無いって、マジなんだなッ!?」
うっひょーい
……この喜び様。ちょっと引いたよ、ゴメン。
紅葉も『何だコイツ!!』とか言ってたけど、ちょっぴり嬉しそうだ。
「…大体さ。また私が嘘吐いてるとか思わないわけ?」
踊り狂う林田に、紅葉が問う。…まぁ、確かに林田はずっと言いなりになって来たし…嘘だって全部見抜けるわけじゃ……。