ティーン・ザ・ロック
「あ、ダイジョブ。だって紅葉が嘘吐く時は
自分の事『私』じゃなくて『紅葉』って言うから。
俺もデータが取れるまでは騙されてたけど……。今は何言われても見抜けれる……って
しまったーーー!!!バラしたら終わりじゃん!!」
聞かなかった事にしてくんない?と土下座までし始める林田。
その頭を見目麗しい御足で…
「ぎゃっ!」
踏みつけた。
そのままの状態ですごむ紅葉は、悪人よりも悪人だった。
「…何でそんな大事なこと、今まで教えなかったワケ?いつかあたしを陥れようとしてたって事?」
ぐりぐり
「ああっ!女王様ッそんな事はぁっ!」
「誰が女王様よ」
「ぷぎゃっ」
地面にめり込んだ林田の顔面。……紅葉さん、十分に女王様の素質がおありです。
そしてそのままワイシャツの襟を掴んでズルズルと引きずって、どこかに消えていく。
角を曲がる直前に、一瞬だけ立ち止まって。
「……今まで、ゴメン。
あんた達の事は言わないからさ。…出来ればこいつの事だけは許して欲しい。私の指示に逆らえなかっただけなんだから」
そう言って、校舎の影に姿を消した。それを二人で見送りながら、ふと思う事。
…………あれ?何の話をしてたんだっけ?
あのカップルの展開が異常過ぎて……。