ティーン・ザ・ロック










「恭介おじさん?あたし、葉瑠です。


あははっお久しぶりですー。…はい。……実は、その事でお話があって。


……はい、兄も知っています」




あたしの舌は二枚舌。



顔には感情が出やすいけれど、ソレが電話なら話は別だ。



恭介さんから話を聞き出すためなら、幾らでも嘘つきになれる。



あたしが養子だと、兄が話してくれたという前提で話を進めると、
おじさんは泣きながら、自分の知っている事だけだけど と、快く話してくれた。



「幸一叔父さんはね、61歳の時に奥さんを亡くしてね。とても伏せってたんだ。

そんな時に出会ったのが、睦美(ムツミ)と言うとても美しく若い女性だった。


二十……四、五、六。と言った所だったかな。


どういうきっかけで出会ったのかは俺にも分からないが、二人はとても愛し合ってた。


家族に知られると何を言われるか分からないからと、隠れて会う事が多くてね。


それで皆は、何を勘ぐったか、奥さんが生きていた頃からの付き合いだと勘違いしたみたいで。妾だの浮気だのと罵っていたけど…。本当は違うんだよ。胸を張って綺麗な着き合いだと俺が証明するよ。


偶然だけど、よく二人の逢瀬にはち合わせたからね。


…そして、幸一叔父さんが62歳の時に、葉瑠ちゃん…君が睦美さんのお腹に居る事が分かったんだ。


だけど、その頃はこんなに歳の離れた相手と結婚する事がみっともないと思われていてね……。


家族や親戚中から非難されて…見ていて可哀想だったよ。



それでも二人は君を守り抜いた。



勘当されても、二人で生きて行くと覚悟が決まったんだよ。でも…。これからって時に二人は……。


事故で死んでしまった」


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