ティーン・ザ・ロック
携帯電話
触れるだけのキスに顔を赤くして
照れながら二人で緩い丘に座りこむ。
草がちくちくと足を刺激した。
手入れが行き届いてるわけでもないけれど、腰を下ろして夜空を見上げる分には何の支障も無い。
星がまたたく様子がまた見れるなんて…。都会じゃ考えられない程空気が澄んでいるという事なのだろうか。
分からないけど 凄く…落ち着く。
「…知ってる?」
虫の音が聞こえ始めた頃、彼が口を開いた。
「今見てる星の光って、今から何年も前の物なんだって」
「…知らない…!」
「……光の進むスピードって一瞬に思えるけど、きちんと光が進む速さは計測されてるんだ。
太陽の光だって数分前の物なんだって…本で読んだんだ」
「凄いね、悠馬…。…星が輝いてるのはどうしてなのか って思った事はあるけど…。本でも読まなかったもん、あたし」
口先だけではない。本当に凄いと思った。
何度も何度も勉強して、やっと覚えられる科学的な話でも
彼が話してると思うだけですんなりと頭に入って来る、都合のいいあたしの記憶力。
彼も、誉められた事で少し照れた様子を見せたが
すぐにあたしの疑問を解決してくれる。