ティーン・ザ・ロック
「…星には、恒星と惑星があるんだ。恒星は自分で光を出す星。太陽がいい例だね。
その光を反射して輝くのが惑星。
だからあんな風に光ってて、星が瞬く様に見えるのは………っ。……ゴメン、僕、喋り過ぎだよね…」
暗がりでも分かる位に頬を赤く染めて焦る悠馬。何だか凄く可愛く見える。
「…もっと話して。好き、なんでしょ?星…」
「……うん。自然とか、星の事は凄く興味があるよ…」
お喋りな彼は初めてだ。ついそんな姿に見とれ、ボーっと彼の横顔を見つめていた時だ。
バックの中に入れっぱなしになっていたケータイが震えるのを感じた。
「………」
「…お兄さん…?」
「……うん」
画面に出ているデジタル時計は、もう8時を示してる。そろそろだと思ってたよ…。
「…もしもし」
『…葉瑠?お前、もう帰って来るんだろ?あんまり遅くなると皆心配するぞ』
呆れた様な、心配そうな そんな声だった。
罪悪感がこみ上げて来て、思わず『ゴメン』と呟いてしまう。
『…あ?何がゴメンなんだよ。
とにかく、早く帰って来い。優さんがお土産待ってるって…』
「お兄ちゃん」
『……何だよ』
「あたしね、お兄ちゃんの事 好きだよ」
『はぁ!?唐突だな!』
うん…。唐突過ぎるよね。でも、言いたくなったんだ。
この森は、あたしを素直にさせてくれるみたいだ。