ティーン・ザ・ロック
頬に伝う涙を、彼が唇ですくい取る。
こそばゆい感覚にピクリと身体が跳ねた。
「……ゆ…うま…?」
「……大丈夫。何もしないから…」
何も…って。
目を瞑って何とも言えない感覚に身をよじらせる。
「…ふ…っ…」
時折漏れる声は、何度も羞恥心を刺激した。
たった一分。一分の間に何度声を漏らしただろうか。
彼の身体が離れた後も、ふわふわと浮いた様な感覚は離れてくれなかった。
「…顔、赤い…」
「……悠馬のせいだよ…」
「……好きだよ」
「…んっ」
触れるだけのキスをついばむ様に何度も交わし、ギュッと互いを抱きしめる。
甘い痺れはまだ残っていた。
「………葉瑠…?」
「…ん…?」
どうしよう、凄く 眠い。
「眠いの…?」
「んー……」
彼の優しさと温もりで安心してしまったみたいで。
とろりと夢の中へ落ちて行くのを止められない。
「葉瑠…」
眠りにつく直前
「…ごめんね」
彼の悲しげな声を聞いた………。