ティーン・ザ・ロック
ケータイをつっ返して、低い声で尋ねる。
「……どういう事?何で兄と悠馬が連絡取り合ってるわけ?
ずっと…ずっと一緒に居ようって言ったのは何だったの!?」
混乱と怒りと失望と。
全てが入り混じって、訳の分からない事まで口に出してしまいそうになる。
「……ごめん」
「…謝って欲しいんじゃない。説明してほしいの」
「………ごめん…」
「謝らないでって言ってるでしょ!?」
冷静に話し合うことすらできない自分にイライラする。
……何でこんな事になっちゃうかなぁ…。
彼だけは、あたしの事を考えてくれていると思ってたのに。
「ごめんね…」
未だ謝り続ける悠馬。でも、反省してる顔ではない。あたしに対する罪悪感から来る謝罪だと分かる。
「…もう、いい」
踵を返してバスルームから出た。
もう良い。もう、誰も信じない。
自分だけでどこか遠くに行ってやる…!
自暴自棄とも言える考え。臆病なあたし一人でなんて、どうやったって遠くになんか行ける筈も無いのに
怒りだけが先走って、もう後には引けなくなっていた。
バックを手に取り、部屋から逃げる様に出ようとした。