ティーン・ザ・ロック
マザー・マザー
家に帰ると、叔父さんと雪さんが留美を連れて玄関まで迎え出てくれた。
「…葉瑠ちゃん…」
「…ごめんね、叔父さん…」
涙を流す叔父さんだったが、それに答えたのは
「本当、全くだわ…」
顔を真っ青にした留美だった。
雪さんに支えて貰っていなければ今にも倒れてしまいそうで。
「…大丈夫?」
思わずそんな言葉が真っ先に出てしまった。
「…あたしの事なんて、今はどうでも良いでしょ…。
とにかく、話合うことが先決だと思わないの?」
「……それはそうだけど、でも…」
「あーあー。もう。
あんたのしけた面なんか見てると、気分が余計に悪くなるわ。
…葉瑠の部屋で休んでますので、落ち着いたら呼びに来てください」
「あ…ああ…」
支えていた雪さんの身体を静かに押しのけて、フラフラとおぼつかない足取りで二階へと上がって行ってしまった。
「…じゃあ、リビングに行こうか」
叔父さんが先陣を切って歩き出す。
その後ろを皆で着いて行く時、兄が独り言のように呟いた。
「留美、入院するかもしれない」
「え……何で…?」
その問いかけには答えてくれず、また妙な沈黙が漂った。