ティーン・ザ・ロック




過去があるから今がある。


それだけ分かっていれば、いつかきっと、自分の中で整理が付く日が来るんだと思う。



愛情を注いでくれた二組の母と父。



そのどちらも、きっとあたしの幸せを願ってくれてる。



期待に応えるためにも、今をしっかり生きようって思った。




「……もう、逃げないよ」



大丈夫。あたしはまだ何もやって無い。


心は傷ついたけど、支えてくれる人たちがいる限り、いつでも向き合う事はできるから。



「留美と、話がしたい」



彼女の行動の真意を知る覚悟が出来た。






「…俺も行くよ」



一緒に立ちあがった兄。……本当は二人で話したいと思っていたけど


留美の体調が気になるのだろう。不安そうな面持ちであたしを見つめてくる兄に、頷く以外の反応が出来なかった。



階段を上り、あたしの部屋の前にたどり着く。


ノックをして声をかけたが、反応は無かった。



「寝てるのかな…?」



「……いや…」


妙な緊張感が漂う。返事も無いまま兄がドアを開けると、部屋の中には誰も居なかった。


「…留美…?」


兄は突然踵を返して、二階にあるトイレへと駆けだして行く。


何が起きているのか分からないあたしは、部屋の前で立ちすくむばかり。



そして。



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