ティーン・ザ・ロック







病院に着いて間もなく、留美の意識は戻った。



点滴で栄養摂取してはいるものの、やはりまだぐったりとしてる様だった。


「…暫く入院して下さい。食事ができるようにならない間は点滴で補うしかないですから」


そう医師に言われた兄は、『お願いします』と、しっかりした声で頷いていた。




処置室に通されたのはあたしと兄だけで、他の人はまだ外で待っている様にと言われた。



叔父さん達は良いけど…悠馬に申し訳が無い。ここにだってあたしがついて来てと無理を言ったからで。



それなのに放っておく事が申し訳なくて仕方が無い。



でも、彼はそんな気持ちすら分かってくれる。




「…君が戻るまでここに居るよ。ずっと側に居るって…言ったでしょ?」



「ありがと…」



柔らかく微笑まれて、微笑み返して。




静かにドアを開けた……。








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