ティーン・ザ・ロック




「……そんな事、どうでも良いだろ」


「………貴方には聞いていないわ。私は彼女に答えて貰いたいの。


…ねぇ?まさかとは思うけど、悠馬と付き合ってる、なんていう間柄じゃないでしょうね?」



どうしよう、答えて良いものなのか。


あの、その、 と答えにならない事だけを呟きながら悠馬を見る。彼はあたしを見つめながら、一つ頷いてくれた。


「…はい。悠馬さんとお付き合いさせて頂いています」



言ってしまった。大丈夫だったのかと彼を見ると、僅かに口角を上げて微笑んでくれた。きっと大丈夫だという事なのだろう。



だけど…


「別れて頂けないかしら」



「え…」



「……母さん」



「悠馬には、きちんとした家庭の御嬢さんと結婚して貰います。


…失礼だけど、あなたのご両親はろくな育て方をなさってなかったみたいね?

自分の名前すら言えない御嬢さんを、うちの様な立派な家庭に入れるわけにはいかないもの」



「母さん!!」




……悠馬が叫んでいるのを初めて見た。



思った事は、ただそれだけだった。







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