ティーン・ザ・ロック
「ええとですね…。雪さんはカッコいいし優しいし、頭だって良いし…。
とても魅力的な男性だとは思うのですが…ッ。
その…あたしにとってはお兄ちゃんという感じでして…あの…」
しどろもどろとはこの事だ。
身ぶり手ぶりで、なるべく遠回しにお断りしたのだが。
突然の笑い声と共に明かされる真実。
「やぁねぇ!冗談よ、冗談っ」
………優さんのジョークだと判明したのだった。
そうこうする間に、車は臨時駐車場に駐車され
あたし達は、人がごった返す昇降口に向かって歩き始めた。
ここが、今日から通う高校…。
校門から続く桜並木は満開で、花びらの絨毯を作っている。
校舎はオシャレな外観で、大きな時計台がそれによく合っていた。
受付を済ませると、予め教えられていた教室へ移動するように促された。
「じゃあ、入学式でねッ。ばっちりカメラに収めるから、転んだりしないでねーー!!」
……なんと不吉な忠告だろうか。
何だか不安になりつつも、笑顔で優さんと別れ
あたしは矢印通りに道を進んで、自分の教室の前までたどり着く事が出来たのだった。
1-D
ここがあたしのクラス…。