ティーン・ザ・ロック
約一カ月の間。彼女とは毎日の様に笑って過ごして来た。
それなのに、突然見せた別の表情。
目だけで『関わるな』『葉瑠には関係ない』と念を押してくる。
あたしは驚きと気まずさで『ゴメン』としか言えなかった。
いや、気迫で言わされたに等しい。
あたしの『ゴメン』を、紅葉がどう取ったのかは知らないが、
彼女はまた笑顔に戻って、冬華たちと一緒に昨夜のテレビの話をし始めた。
冬華たちはあたし達のやり取りを見ていなかったのだろうか。
急とも言える話の代わり様にも、別に気に留めた様子も無く、楽しそうに話に花を咲かせていた。
……たまに来る質問を受け流しながら、直感する。
紅葉は何かを知っている。
みんなも知らない『何か』を。