ティーン・ザ・ロック



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気まずい空気を纏ったまま一日が終わる。


うちの高校はクラブ活動は希望制だった為、帰宅部の生徒が多いのが現状だ。


都会の高校生は、額に汗するよりも、友達や彼氏と一緒に過ごす方が大事らしい。



そう言うあたしも、帰宅部として高校生活を送る事に決めていた。



特にこれと言ってやりたい部活は無かったし



何より、みんなが帰宅部にすると言っていた事が大きな要因だった。



紅葉は読モの撮影がたまにあるし


冬華と奈津は、中学から付き合っている彼氏がいて、そっちを優先したいという理由だ。



紅葉が暇な時には一緒に遊びに行ったりもしているのだが、今日は撮影の日だと言って、先に帰ってしまった。



勿論冬華と奈津は彼氏の所へ直行。



こうなると、他に友達の居ないあたしは一人で帰るしか選択肢が無くなってしまう。



もう少し、接する範囲を広げた方が良いかな なんて、机に向かって考えていると、マナーモードにしていたケータイがブレザーのポケットの中で震え始めた。



慌てて取り出し、思わず笑みがこぼれてしまう。



画面に流れる、会いたくてたまらない人の名前を発見したからだ。




軽く咳払いをして、それからゆっくりと通話ボタンを押した。




「------何?…お兄ちゃん」





暫く忙しくなるからと言って、連絡を控えていた兄からの、2週間ぶりの電話だった。





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