ティーン・ザ・ロック
一瞬の間の後、タイミングを測ったかのように一同が叫んだ。
「「お兄様!?」」
……また五月蠅くなった。
「何だ、てっきり俺、彼氏に迎えに来てもらうのかと思った」
「いやーでも、良かった良かった」
「いや、まだ分かんねぇぞ…。一応そのお兄様とやらを一目見ようではないか」
「おお、良い考えだッ」
待て待て…
「…いや、あたしは許可してな…」
「そうと決まれば校門で待ち伏せだッ」
どやどやと一斉に駆け出していく男たちを見て
金持ちの男ってホント ワケ分かんない。
そう思った。
大きくため息を吐いたあたしに、巧実君がケタケタと笑いながら話しかけてくる。
「何か一大事になったみたいだなーっ。ゴメンな。責任とって俺が校門まで見届けてやる」
「…いや、もうそれ、野次馬したいだけに聞こえる」
「バレた??」
……もう、何でも良いから早く帰りたい。
そう願った瞬間、ケータイが着信を告げ、校門に兄が来た事を知った。