ティーン・ザ・ロック
造り笑い
「マジ!?コレ雪さんの!?ハーレーじゃん!!」
ああ五月蠅い。
兄には遠慮というものは無いのだろうか?
雪さんが大きな車庫に車を入れた途端、気が狂ったように騒ぎ始め
挙句の果てには妹の存在すら忘れて車を舐めまわすように観賞。
更に、シルバーのカバーがかかったバイクを目ざとく発見し、雪さんにおねだりして見せてもらう始末。
現れたゴツいバイクを見て、こうして子どもの様にはしゃいでいる。
「コレ、FXDLでしょー!?すげーカッコイイ!」
「ああ、良く分かんないけど…。父がたまに乗るだけだから。
ちょい悪オヤジを目指してるんだって」
「そうなんっすかー。やー、叔父さんもワルだねーッ」
……男って、ホント分かんない。兄だけかもしれないけど…。
車とかバイクに興味があるのは構わないけど、もう少し冷静に見る事くらいできないのだろうか?
雪さんも若干引き気味だよ。
「後で叔父さんに話し聞いてみよーッ」
それは是非あたしの居ない所でやって欲しいものだ。