【完】禁断の恋〜好きと気づくとき〜
そう考えると、無性に笑いが込み上げてくる。



「どうした?菜摘」



「…鈴香が可笑しいの。
私にね“佳祐くんをゲットしなよ”
“がんばれ”
って言ってきたの。

私たちいとこなのに…

笑っちゃうよね」



それを聞くと、佳祐は黙った。



黙って訴えるように、私を見据えるだけ。



「菜摘…どっか行こっか」



佳祐は、重たい口を開いたかのような濁った喋り方だった。



佳祐は私の腕を掴んで、引っ張った。

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