【完】禁断の恋〜好きと気づくとき〜
「…誰かに聞いたんじゃない。直接本人から聞いたのよ。だから余計に菜摘が許せなかった」



桜は俯いた。



前髪のせいで、桜の表情は読み取れないけど、

きっと今、桜は泣いているんだと思う。



黙り込む私なんて構わずに、桜は辛そうな声で続けた。



「…大好きだったの。いつもあんたに絡む新二くんを見てた」



…そうか。



教室で新二が私の腕を掴んだとき、女の子の痛い視線を感じたけど、

もしかしたらそれは桜だったのかもしれない。


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