【完】禁断の恋〜好きと気づくとき〜
「…こんなことになっちゃって。
でも私、新二には少しも気はないから」



私は、できるだけ聞き取りやすいようにゆっくりと話した。



「…じゃああんたが謝る必要ないじゃん。
そんなのただの同情じゃない!!」



「そ、それは…」



「私、ずっとあんたが憎かった………でもね、あんたは悪くないってこと、ちゃんとわかってる」



桜は一歩前へ出た。



「…桜…………」



「なによ!!
また同情する気!?
もうたくさんよっ!
………っ!?」



………気づくと私は、桜を抱きしめていた。

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