私はヴァンパイアに恋をした…




突然背後から
笑い声が聞こえた。


その声は低くて
とても聞き心地の良い声だった。


振り返ってみると、

長身で黒髪の男の子が
立っていた。




…かっこいい!!



「キャーー!!」



耳を塞ぎたくなるような
黄色い声が

教室中に響く。


その声を向けられた男の子は
優しげな笑みをこぼす。





「お前、おもしろいなっ!!
名前は?」



「羽田エミルですっ…」


「へぇー…お前可愛いじゃん。
俺の女にならない?」


「なっ……ん!」


そう言われた瞬間、
相手の男の子の唇が

私の唇に触れた。




「いやーーー!!!」

女の子達の悲鳴ともいえる
声が教室中に響いた。



そのあと男の子は唇を離して
意味深な言葉を発した。



「お前、旨いな。気に入った!」
私の耳元で小声に言った。








< 4 / 16 >

この作品をシェア

pagetop