私はヴァンパイアに恋をした…
突然背後から
笑い声が聞こえた。
その声は低くて
とても聞き心地の良い声だった。
振り返ってみると、
長身で黒髪の男の子が
立っていた。
…かっこいい!!
「キャーー!!」
耳を塞ぎたくなるような
黄色い声が
教室中に響く。
その声を向けられた男の子は
優しげな笑みをこぼす。
「お前、おもしろいなっ!!
名前は?」
「羽田エミルですっ…」
「へぇー…お前可愛いじゃん。
俺の女にならない?」
「なっ……ん!」
そう言われた瞬間、
相手の男の子の唇が
私の唇に触れた。
「いやーーー!!!」
女の子達の悲鳴ともいえる
声が教室中に響いた。
そのあと男の子は唇を離して
意味深な言葉を発した。
「お前、旨いな。気に入った!」
私の耳元で小声に言った。