ハルジオン。
これは、罰なのだ。



薄れ逝く意識の中で、百合子は翔の頬に震える手を伸ばした。

……暖かい。

翔の頬に流れる涙を感じながら、百合子は最後にもう一度、

「ごめんね」

と呟き、瞳を閉じた。



私がもっとしっかりしていたら、私にもっと勇気があったなら、

周りに流されず、真っ直ぐ手を差し出すことができたはずなのに……

ごめんね、

本当に……

何度も何度も、心の中で謝った。

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