ハルジオン。
基本的に山道は一本道なのだが、所々で枝分かれする。

その時、前回通った道を二度通ることのないように目印を付けるのだ。

「ガキにしちゃ上出来だ」

「旅人に教えてもらったんだよ」

「出た、旅人」

達也は両手を頭の後ろに回した。

「何モンだ?そいつ」

「朝も言ったろ?いろいろ教えてくれた親切なオジサンだよ」

「あ、そう」

アキトの皮肉たっぷりな言葉を受け流し、それで?と先を促す。

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