ハルジオン。
「たどり着けたのかな?」
「え?」
不意な言葉に、アキトは一瞬何のことか分からなかった。
「旅人だよ」
「……ああ、どうかな」
興味なさげに返し、まだマークされていない方の山道へと足を踏み出す。
『夢はあるか?』
旅人の声が脳裏をよぎる。
目の前の蜘蛛の巣を棒で払いのけ、アキトは初めて旅人と出会った時のことを思い起こしていた。
その声も、表情も、今でもはっきりと覚えている。
今まで出会った誰よりも優しくて、暖かい人だった。
……母さんよりも。
「え?」
不意な言葉に、アキトは一瞬何のことか分からなかった。
「旅人だよ」
「……ああ、どうかな」
興味なさげに返し、まだマークされていない方の山道へと足を踏み出す。
『夢はあるか?』
旅人の声が脳裏をよぎる。
目の前の蜘蛛の巣を棒で払いのけ、アキトは初めて旅人と出会った時のことを思い起こしていた。
その声も、表情も、今でもはっきりと覚えている。
今まで出会った誰よりも優しくて、暖かい人だった。
……母さんよりも。