ハルジオン。
「肩に乗れ。お前の身長じゃ最初の枝まで届かねーだろ」

「いーよ。届くって」

「届くかよ馬鹿。いいから乗れ!時間ないんだぜ」

「……はあ」

アキトは恨めしげに頭上の太い枝を見上げると、達也の肩に足をかけた。

「立つぞ」

「う、うん」

達也の頭にしがみつき、必死にバランスを取りながらアキトが返す。

「せーの!」

「うわあ!」

かけ声に合わせて達也が立ち上がると、アキトの体がグラリとよろけた。

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