ハルジオン。
「あの野郎」

達也は眉をひくつかせ、十三才も年下の子供を猛然と追いかけ始めた。

「待てコラ!」

「待つわけないだろ」

「ガキが俺に木登りで勝とうなんざ百万年早いんだよ!」

「うるさいバカ!」

「うお!」

達也の顔に、木くずや葉っぱが容赦なく降りそそぐ。

「ペッ、ペッ」

「へへん」

「この……」

まんまと仕返しされた達也は、頭上のアキトを睨みつけた。

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