ハルジオン。
着いた……

本当にたどり着いたんだ。

アキト、

……アキト?!

アキトの手に力がない。

急激な加速度の変化に、意識を飛ばされたのかも知れない。

「アキト!しっかりしろ!」

「……う」

達也の揺さぶりに、アキトが朦朧とした声で反応する。

「良かった」

そう思ったのもつかの間、達也の耳にドドドと唸る異音が聞こえてきた。

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