ハルジオン。
湧き水のせいだろうか、滝壷の水は凛と冷たく、肌をチリチリと刺した。
二人は岩場に登ると、ずぶ濡れの服の裾を絞り、髪を掻き上げた。
森の静寂が体温を奪っていく。
風が凪いでいることだけが、わずかに救いだった。
シンと冷えた森の中に、二人が立てる物音と吐息だけが溶け込んでいく。
達也は改めてこの深い谷底のような滝壷を眺め、耳を澄ました。
カラン、コロン……
と、どこからともなく泉の水が流れていく音が聞こえてくる。
「……滝だ」
アキトは、二十メートルは越えると思われる高い滝の頂を見上げた。
二人は岩場に登ると、ずぶ濡れの服の裾を絞り、髪を掻き上げた。
森の静寂が体温を奪っていく。
風が凪いでいることだけが、わずかに救いだった。
シンと冷えた森の中に、二人が立てる物音と吐息だけが溶け込んでいく。
達也は改めてこの深い谷底のような滝壷を眺め、耳を澄ました。
カラン、コロン……
と、どこからともなく泉の水が流れていく音が聞こえてくる。
「……滝だ」
アキトは、二十メートルは越えると思われる高い滝の頂を見上げた。