ハルジオン。
後ずさっていくアキトをただ漠然と見つめながら、達也は吠えた。

「何があったって、俺は絶対お前のことを忘れたりしねーからな!絶対にだ!」

「……うん」

「アキト……」

達也はその場に倒れ込んだ。

どんどん力が抜けていくのが分かる。

目が霞む。

意識が遠のいていく。

アキト、

アキト……

達也は突っ伏した岩場に爪を立て、懸命に顔を起こした。

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