ハルジオン。
達也はその光景にはっとした。

思い出した……

これはまるで、俺が今朝ホテルで見た夢と同じじゃないか。

あの時は確かに「自分」の中にいた。

でも今はなぜか「焚き火の子供達」の一人として同じ夢を見ている。

そう気づいた。

「いっちゃんかい?」

咄嗟に顔を上げる。

寺の住職が母の逸子に歩み寄り、何か話しかけている。


……間違いない。

でもなぜ?

達也は目を擦り、それでも変わらない光景に困惑した。

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