ハルジオン。
「なにちてゆの?」

「?!」

突然声を掛けられ、目線を落とす。

すると、紛れもない四歳の"自分"の瞳が、達也を見上げていた。

「焼き芋だよ」

言葉に詰まる達也の代わりに、薩摩芋に棒を突き刺した少年が答える。

「食べるか?」

「うん!」

「ちょっと待ってろ」

リーダー格らしい少年はそう言うと、フェンシングよろしく「えいっ」と棒を焚き火の中に突きだした。

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