ハルジオン。
だから、百合子が町を出て、近くの街で働くと知った時は、心にポカリと大きな穴があいたような気がした。

逢いたい。

逢いたい。

たっちゃんと百合ちゃんに……



二年という歳月は、靖之にとって短いようで長かった。

今年の正月、成人式の会場で百合子を見つけた靖之は、ますます美しくなった彼女への想いを抑えきれなくなっていた。

百合子はちゃんとタイムカプセルのことを覚えていた。

達也は……

案の定、忘れていた。

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