ハルジオン。
「……最初にたっちゃんを見た時、なぜかピンと来たんだ」

「何が?」

「この子が僕の親友だ!てね」

「はあ?」

達也が苦笑いする。

「それじゃあ何か、お前は旅人の言葉をずっと信じてたってのか?」

「まあね」

「でも待てよ。それじゃ旅人は俺の親父ってことに……」

達也は一瞬身を乗り出したが、馬鹿らしくなって肩をすくめた。

「……まさかな。あの親父に限ってそんな話があるわけがねえ」

言いかけて口を閉ざす。

靖之の澄んだ瞳が、ジッと達也を見つめていた。

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