ハルジオン。
「じゃぁ……開けるよ?」

百合子はそう言って、懐かしそうにアルミ缶の蓋に両手を乗せた。

そのまま蓋の端を持ち上げると、バコンと安っぽい音を立てて、タイムカプセルの中身が姿を現した。

「何だこれ?」

と達也が呟いた。

「あはは」

靖之が笑顔で缶の中に手を突っ込んだ。

ビー玉、ベーゴマ、メンコにチョコレート、ぬいぐるみ、トランプ、回し読みした漫画本が数冊……

懐かしくもくだらないものばかりが次々と地面に並べられていく。

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