ハルジオン。
「懐かしいなぁ」
「確かタクロー君が見つけたって言って大騒ぎになったよね?」
「あったあった!」
などと螢の森の話で妙に盛り上がる靖之と百合子を尻目に、達也はもう一度手元の写真を見下ろした。
(もし本当に願いが叶うとしたら?)
「……馬鹿らしい」
と短く吐き捨てる。
写真を胸ポケットにしまい、神社の横を流れる宮川に目を向けた。
名前も知らない小さな魚たちが、時折淡い燐光を放ち、川面に映る三日月を音もなく揺らしていた。
「確かタクロー君が見つけたって言って大騒ぎになったよね?」
「あったあった!」
などと螢の森の話で妙に盛り上がる靖之と百合子を尻目に、達也はもう一度手元の写真を見下ろした。
(もし本当に願いが叶うとしたら?)
「……馬鹿らしい」
と短く吐き捨てる。
写真を胸ポケットにしまい、神社の横を流れる宮川に目を向けた。
名前も知らない小さな魚たちが、時折淡い燐光を放ち、川面に映る三日月を音もなく揺らしていた。