ハルジオン。
随分痩せた逸子の横顔から目を移し、住職が庭の隅に顔を向ける。

逸子もまた、その視線を追いかけた。

四五人の子供達が、広い境内に落ちた赤や茶色の枯れ葉を集めて火をくべていた。

「あれは?」

「焼き芋じゃよ」

「……懐かしいなあ」

ストールで両肩を抱き、目を細める。

その子供達の様子を、逸子が連れてきた小さな男の子が、輪の一歩後ろからジッと覗き込んでいる。

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