ハルジオン。
「達也くん……じゃったか?」

「うん」

「大きゅうなったの」

「もう今年で四歳になるわ」

「……早いもんじゃ」

「ホントね」

「昔のいっちゃんによお似とる」

「そう?」

「色が白うて好奇心旺盛でな、毎日この庭で遊びよった」

「……そうね」

寺の縁側に浅く腰掛け、子供達の様子を見つめていると、包丁の音と味噌汁の匂いがどこからともなく漂ってくる。

< 64 / 339 >

この作品をシェア

pagetop