剣と日輪
 公威と楯の会隊員がこうした捨身(しゃしん)報国(ほうこく)の道を模索していたこの時期、必勝も亦祖国防衛の理念に燃え、
「祖国防衛隊」
 を結成し、以下のような結成趣意書を作成した。
「我々は、我らの父祖達が長い間営々として築いてきた日本の歴史と文化、更には民族の栄光の根源をどこまでも守ろうとするものである。そこにのみ日本の未来があり、あたら青年の血を献じてもなお、惜しみない我々の生命の根源があると信ずるものである。明日の日本を信ずる青年よ集いあれ!」
(わが思想と行動より)

 役員は次の者が、選出されている。
隊長         
森田必勝
副隊長(統制部担当) 
小川正洋
副隊長(財務部担当) 
野田隆史
事務局長       
田中健一
組織局長       
西尾俊一
情宣局長       
鶴見友昭

 そして祖国防衛隊運動方針、年度計画、規約が練られたのである。

 祖国防衛隊運動方針

 我々は、祖国日本をあらゆる侵略から守る為、行動・理論・精神を一体として、真に皇国日本に殉じる活動を行いうる人間を造る為、日常の心身鍛錬をする。
 毎日の基礎体力作りと、学習会、年二度以上の軍事教練、講演会、理論合宿をもってこれを養成する。
< 278 / 444 >

この作品をシェア

pagetop